研究課題/領域番号 |
25670527
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
加藤 弘之 群馬大学, 重粒子線医学推進機構, 助教 (30334121)
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研究分担者 |
白井 克幸 群馬大学, 重粒子線医学推進機構, 助教 (10400748)
河村 英将 群馬大学, 重粒子線医学推進機構, 助教 (80431716)
岡本 雅彦 群馬大学, 重粒子線医学推進機構, 助教 (10451725)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 放射線治療 / 重粒子線治療 / 自己放射化PET / 線量分布 / QA/QC |
研究概要 |
研究計画に基づき、従来の線量計で得られたデータに基づく治療計画装置(群馬大学設置,XiO-N)において、より精確度の高い治療計画を行うための理論的再検討を行った。 従来の放射線治療計画装置では、静止した状態の情報のみに基づいて計算と評価が行われており、動きを含めた経時的変化をその評価の中に加えられて来なかった。そこで新たに、各状態に存在確率と掛け合わせ合算することで、経時的変化を内在した形で、放射線治療計画を評価する手法を考案し、従来の放射線治療計画よりも、より現実に起きる形に近い状態の評価が可能な論理を構築した。 具体的には、特に深部方向の線量分布が不均一になる炭素イオン線治療や陽子線治療のような粒子線治療において、従来の放射線治療計画では想定できなかったような、照射野中心域における線量の低下現象などを捉えることができる。頭頸部領域の悪性腫瘍に対する炭素イオン線治療において、処方線量の95%でカバーされる標的体積の割合(V95)は、従来の放射線治療計画の線量分布では99.4%であったのに対し、あたらな論理において、経時的なセットアップエラーを想定した場合、V95は80.4%に低下していた。これは十分な治療線量があっている範囲が、従来の放射線治療計画装置で想定されたものよりも、実際にはもっと少ない可能性を意味し、結果として、悪性腫瘍の局所再発など、従来の放射線治療計画装置では想定されなかった結果に結びつく可能性を意味している。 現在、新たに検討した論理に基づく、治療計画装置の原案について、特許出願手続きと、論文作成を行っているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究実績の概要で記載したごとく、新たな理論検討と、その開発、特許出願手続き等を行っているため、当初予定していたデータ取得に至っていないため。
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今後の研究の推進方策 |
研究実績の概要で記載したごとく、新たな理論検討と、その開発、特許出願手続き等を行っているため、その点においては、新たな成果が得られつつある一方で、当初予定していた研究計画からは予定を変更することになった。最終的な目標とするところが変わるものではなく、新たな成果をまとめつつ、予定の研究を推進していく方策である。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究実績の概要で記載したごとく、新たな理論検討と、その開発、特許出願手続き等を行っているため、当初予定していたデータ取得に至っていないため。 上記のごとく、当初予定していた研究計画からは予定を変更することになったが、最終的な目標とするところが変わるものではなく、新たな成果をまとめつつ、使用計画についても、平成25年度、平成26年度に予定していた計画に基づいて、予定の研究を推進していく方策である。
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