研究課題/領域番号 |
25670535
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
佐々木 良平 神戸大学, 医学部附属病院, 教授 (30346267)
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研究分担者 |
荻野 千秋 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00313693)
佐藤 和好 群馬大学, その他部局等, 助教 (40437299)
沼子 千弥 千葉大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (80284280)
中山 雅央 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (60582004)
赤坂 浩亮 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (20707161)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 放射線増感 / ナノ粒子 / 活性酸素腫 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、我々が発見したナノ粒子化したチタン酸化物が、X線照射によって大量のヒドロキシラジカルを発生することをこの成果の臨床応用でのこれまでにない放射線増感療法を開発し、膵臓癌などの難治癌に対する新たな治療戦略を提案することである。計画では① Cell-free systemでのヒドロキシラジカル等のReactive Oxygen Species(ROS)生成メカニズムの解明。② 細胞実験(有機物質環境下)での抗腫瘍効果とROS動態に関する酸化還元システムの解明。③ ヒト癌細胞をヌードマウスに移植したin vivo環境での放射線増感とチタン酸化物ナノ粒子の毒性評価、④ がん細胞を特異的に認識するIn vivo tumor targetingを実現する生体分子修飾ナノ粒子の開発することである。前年度には①では放射線線量依存性にROSの増加が得られることを見出し、そのROSは過酸化水素のバイオマーカーで識別されることを見出した。②に関しては現在その実験プロトコールの改善を図っているが、ナノ粒子の細胞内への取り組みに関しては研究分担者の荻野らが成功し、その増感効果に関して検討してきた。本年度は、③に関して既に我々が確立したヌードマウスへ移植したヒト膵臓癌細胞を用いた実験系でナノ粒子化したチタン酸化物の放射線増感効果を既に確認できているが、毒性の有無に関して検討を行った。腫瘍内への局注では我々が開発したチタン酸化物の毒性は少なく、腫瘍の縮小を誘導できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現時点では皮下移植腫瘍に対してはチタン酸化物の局注に関しては毒性は認められていないが、その他の投与方法における毒性や有効性を確認していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
チタン酸化物の表面修飾や適正濃度などの検討を繰り返し、動物実験にて実施していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
動物実験の飼育場所の確保が一部困難であったため、前年度できなかった動物実験を本年度に移行して実施していく予定である。
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次年度使用額の使用計画 |
繰越額の一部を実験動物の購入と飼育施設経費として、また放射線治療後の組織学検討のために使用する予定である。
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