うさぎVX2肝腫瘍モデル19羽を用いて実験を行った。恒温槽装置で溶液の温度を調節して、コントロール群では25度と43度の溶液を動注したが腫瘍の明らかな増大を認めた。シスプラチンを含めた同温度の溶液群では、腫瘍増大傾向は著明に減少した。採血データは3~5日目にはほぼ治療前の値に戻っていた。溶液温度保持が困難なためフッ素チューブで再実験を行ったが、肝実質温度はカテーテル出口43度で40.5~41度。48度では42.2~43度に留まった。最大溶液温度48度では腫瘍縮小は認めたが腫瘍消失には至らなかった。以上の結果から高温動注療法は有効な手段であるが48度が限界であり、新素材の開発が急務と考えられた。
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