研究課題/領域番号 |
25670544
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研究機関 | 独立行政法人放射線医学総合研究所 |
研究代表者 |
齋藤 俊行 独立行政法人放射線医学総合研究所, 重粒子医科学センター, 主任研究員 (90205667)
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研究分担者 |
小橋 元 独立行政法人放射線医学総合研究所, 企画部, 室長 (60270782)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | バイオマーカー / 血液 / 遺伝子発現 / 骨肉腫 / 脊索腫 |
研究実績の概要 |
目標症例数5名を目指して骨肉腫罹患者への研究協力依頼をおこなったが、2014年度の受診者すべてが化学療法実施済みで研究用血液の採取要件を満たさなかった。そこで機関内研究倫理委員会の承認を得て脊索腫を対象疾患に追加して協力罹患者を募り、化学療法未実施の罹患者血液3検体を得た。先年度最終済みの骨肉腫検体を合わせて骨軟部腫瘍5検体を確保し、血漿画分と白血球画分それぞれからRNAを分取した。白血球画分RNAの発現解析用測定機が故障し長期間稼働困難となったため、血漿からmiRNA画分を調製しマイクロアレイ法による発現解析を優先実施した。健常人対照と比較して骨軟部腫瘍で高発現傾向を示すmiRNA群を見出した。また深刻な故障に陥っていた測定機の修理も完了したため、2015年度に白血球画分RNAのトランスクリプトーム解析を実施予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
対象疾患を拡張し目標症例検体数を確保した。いっぽう本研究実施に必須の測定機に予想外の故障が発生し、白血球由来RNAの発現解析に遅れを生じている。そのため本研究の目的に沿う他の解析活動として、血漿エキソソーム由来miRNAの発現解析を実施した。この解析を加えることで、血液検体からのバイオマーカー開発可能性をより広く検討することとなる。血漿miRNAを3D-Geneシステムによる発現解析に供し、骨軟部腫瘍とりわけ脊索腫に特徴的な発現増加傾向を示すmiRNA分子種を複数見出している。
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今後の研究の推進方策 |
2014年度途中から対象疾患に追加した脊索腫罹患者から、2015年度には重粒子治療後の血液検体が得られるので、健常人と罹患者との比較解析に加えて、同一罹患者の治療前と治療後の比較解析が実施可能となる。いっぽう、故障していた測定機の修理が完了したので白血球RNAの発現解析を進めることで、がん側(miRNA)と宿主側(白血球RNA)の重層トランスクリプトーム解析による多面的バイオマーカー探索をおこなう。
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次年度使用額が生じた理由 |
予想外の測定機故障が生じたため白血球RNAの発現解析が未実施となり、未使用額が発生した。予算の一部は血漿miRNAの3D-Gene解析委託費として活用したが、残りは測定機修理後に実施する白血球RNA発現解析に備えて次年度予算として繰り越すこととなった。
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次年度使用額の使用計画 |
2015年度すみやかに白血球RNAの発現解析をおこない、その消耗品試薬経費として使用する。
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