骨軟部腫瘍の有用バイオマーカーを開発するために、骨肉腫罹患者血液細胞を用いて、血液細胞の遺伝子発現状態の変化を調べた。必要検体数を確保するために対象疾患を骨肉腫に加えて脊索腫にまで拡張した。罹患者6名と健常者4名の白血球画分から得たRNAを試料として高精度大規模遺伝子発現解析を行った結果、罹患者群と健常者群の遺伝子発現パターンを互いに区別することができた。これは末梢血液を用いた罹患者スクリーニングの可能性を示唆する。測定対象を群間差の大きい転写産物に絞り込むことで、弁別精度を保ちつつ解析作業の簡便化を進めている。
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