癌胎児性抗原(CEA)は、多くの癌種で発現が認められ、キメラ抗原受容体(CAR)導入T細胞輸注療法の望ましい標的となり得る。そのためには、有効性を高めるだけでなく、CEAが正常組織にも発現される自己抗原であることから、安全性は十分に確保されなければならない。本研究では、CAR導入CD4T細胞のヘルパー機能を利用したCAR導入CD8T細胞の抗腫瘍効果の増強作用を検討した結果、CAR導入CD4T細胞は、CEA特異的CAR導入CD8T細胞の抗腫瘍効果を増強しなかった。また、CEA―Tgマウスを用いて、CEA特異的CAR輸注療法の安全性を評価したところ、サイトカイン遊離症候群に注意が必要であった。
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