研究課題
平成26年度は前年度より引き続き、オートファジーを誘導するヘルペスウイルスの作製を行った.Beclin-1遺伝子導入ヘルペスウイルスの作成および機能解析に成功した. その後にiPS細胞研究に移行した.マウスiPS細胞からの樹状細胞への分化誘導にはすでに成功しており論文発表した(Int J Cancer 2014;134:332).当初はiPS細胞にLC3遺伝子をアデノウイルスベクターを用いて導入する予定であったが,未分化能の維持が困難になるなど問題が生じたため、iPS-DCへ直接LC3を導入する手法へと変更した.LC3発現iPS-DCをC57BLマウスに投与し、2週後に脾細胞を採取し、in vitroでCTLを誘導した.このCTLがLC3特異的抗腫瘍活性を発揮することをCr-release assayならびにLDH assayを用いて検討した.さらにCTL populationの増加をテトラマーassayにて確認した.現在はBeclin-1ヘルペスウイルスを感染させたマウスメラノーマB16細胞をTargetとした細胞障害活性の解析を行っている.現在の研究結果で良好な結果で得られれば、作業仮設である「腫瘍細胞にBecklin-1ヘルペスウイルスを感染させ、細胞内オートファジーを介してLC3が発現する.このLC3を標的としたiPS-DCワクチン療法の実現可能性」が立証される.
2: おおむね順調に進展している
複雑な実験系であり,当初の予定より遅れ気味であったが、平成26年度最初はヘルペスウイルス作成 解析に時間を要した.その後のiPS-DC研究は予定以上に速いスピードで進み、LC3特異的CTL誘導にはほぼ問題なく研究は終了した.現在進行中であるLC3特異的CTL誘導の研究は本研究の最も重要なパートであり、時間をかけて研究を進めている.以上からおおむね順調な進展とした.
平成27年度はじめにはマウス研究は終了する予定である.マウスでオートファジー誘導ヘルペスウイルス治療とLC3発現iPS-DCの併用療法の実現可能性が立証されたら,健常人iPSを用いたpreclinical studyへと研究を推進する予定である.健常人末梢血由来iPS-DCにLC3発現アデノウイルスベクターを感染させる.このDCをstimulatorとし,in vitroでCTLを誘導する.自己LCLにbeclin-1ヘルペスウイルスを感染させ、Targetとする.CTLがこのTargetを特異的に攻撃可能か否かを検討していく予定である.
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