研究課題
病態や治療効果の把握、患者管理には生理機能や補助人工心臓(VAD)駆動状態等の情報の獲得が重要である。本研究では、臨床で使用される拍動流VAD、連続流VADをそれぞれ対象として治療の高度化に有用な新しいモニタリングシステムの構築を目的とする。本年度はおもに、①拍動流型VAD:前年度までに開発した要素技術を統合し、制御性に優れたDCサーボモータ駆動のクランクピストン型小型空気圧発生機構と制御インターフェースに、ドライブライン空気流量を利用した間接的補助流量モニタシステムを組み込んで一体化した小型駆動装置を構築した(補助流量表示機能を含めて8.5 kg)。②連続流VAD:医療用遠心血液ポンプを、前年度までに構築したセンシング機能の基盤となるコントローラで駆動し、左心補助を想定した拍動下模擬循環試験において循環抵抗の変更やVADの流入障害による駆動状況の急変に対する駆動電流の変化を解析した。流入障害の状況で厳密な補助流量推定は困難であったが、電流値のみを指標として任意の平均流量を概ね維持する駆動が可能であった。以上により、生体側指標と装置側指標の相関性をさらに検証する基盤が構築された。
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電気学会論文誌C
巻: 135 ページ: 1376-1385
10.1541/ieejeiss.135.1376