研究課題/領域番号 |
25670565
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
宮田 剛 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 大学院非常勤講師 (60282076)
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研究分担者 |
大内 憲明 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90203710)
佐藤 成 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20250764) [辞退]
中野 徹 東北大学, 大学病院, 助教 (50451571)
中川 敦寛 東北大学, 大学病院, 助教 (10447162)
仲井 正昭 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (20431603)
松坂 義哉 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30312557)
川岸 直樹 東北大学, 大学病院, 准教授 (00333807)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 食道 / 反回神経 |
研究実績の概要 |
食道手術において反回神経機能を温存しつつ郭清操作が可能な手術機器の開発が本研究の目的である。胸腔鏡下で操作可能なパルスジェットメスを作成し、試作品について流体力学的な検討を行い切開能と機能温存能についての検討を行うことであるが、神経機能温存能の条件検討には大動物を用いた実験でかつ胸腔鏡下で行うには非効率的であるため、反回神経を胸部ではなく頸部で剥離同定して実験を行い実験系の確立を行った。この実験系の確立には時間がかかるため、同時に神経機能の評価として、ラット坐骨神経にパルスジェットを照射し、機能の評価を跛行で評価した。昨年度行った実験でラット座骨神経の活動電位と神経伝導速度が測定可能であることが明らかとなったので、これを大動物(ブタ)の反回神経で使用できるように双極電極に改良を加えた。全身麻酔下豚の頸部を切開し、反回神経にパルスジェットを照射した。反回神経の機能を評価するためブタの気管内にEMGチューブ(メドトロニクス社製)を挿管し声帯の動きを電気信号として導出しオシロスコープでモニターした。また実際の声帯の動きを気管切開によって直視可能としてビデオモニターにてリアルタイムに観察し、反回神経刺激が声帯運動として機能していることを確認した。パルスジェットを反回神経のみならず、周囲の組織、例えば気管、食道、動脈、静脈に照射した。パルスジェットが照射された組織を病理組織学的に観察検討を行った。これらの実験系は胸腔に挿入することも可能となった。また中枢側の刺激評価として頸部での迷走神経刺激が今後必要となり、その際にも使用が可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は大動物(ブタ)を用いて反回神経にパルスジェット照射を行い神経に与える影響を評価するのが目的であった。詳細な検討を行う為には実験回数が必要であるが、本年度は同動物での予備実験を行い、実験系の整備を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は昨年確立した実験系を発展させ、大動物(ブタ)を用いて反回神経にパルスジェット照射を行い神経に与える影響を評価することを目標とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度にはパルスジェットの大動物の反回神経への照射実験を計画していたが、実験装置使用に係る調整と大動物での実験系の確立に当初予定より大幅に時間を要した。小動物の座骨神経を用いた実験を実施し、測定能力と神経障害の程度を跛行で評価する段階でとどまったため、未使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
本研究課題の26年度に予定していた,大動物を用いた反回神経照射と声帯機能評価を行う。豚の胸腔内に挿入できるジェットメスを用いて、胸部の反回神経、頸部の反回神経に照射し、その電動速度と声帯運動を測定しジェットの出力との相関を明らかにする。照射後の組織を採取し病理組織標本を作成し影響を評価する。これらの成果を学会発表し、論文投稿する。本年度の未使用額をこれらの経費に使用する予定である。
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