研究概要 |
胆道癌の治療の第一は外科切除であり、術式および周術期の管理の向上とともに治療成績は向上しているが、いまだ 予後不良の癌の一つである。その理由は、抗癌剤の効果が不十分であり、画像診断では捉えられない微小転移の制御が困難でることが一因である。進行胆道癌に対する抗癌剤はGemcitabine + CDDPが標準治療となり(ABC-02試験)、積極的に抗癌剤が使用され、長期生存例から希と考えられていた遠隔転移を認めている。われわれも骨転移をまとめた検討を報告した。そのため微小転移の制御が必須と考え、われわれは抗体を軸とした免疫療法を研究しているが、今のところ臨床応用は進んでいない。そこで、予後向上のために微小転移の根絶が必須と考え、われわれは間葉系幹細胞(mesenchymal stem cell, 以下MSC)の一つである多能性幹細胞(Multiliniage-differentiating stress enduring cells(Muse細胞))のターゲッティング性を生かした癌標的治療を開発する発想となった。本年度は、間葉系幹細胞の分離し、MSCの確認を表面マーカーにて培養できることを確認した。 実験方法 1.9-12週齢相当のBALB/cマウスの大腿骨/脛骨より骨髄細胞を採取回収し、培養。血球成分を除去し、MSCsを増殖させる。 2.表面マーカー:フローサイトメトリーにて、以下の表面マーカにて確認した。Positive marker (CD29, 44, 73, 105, 106, Sca-1), Negative marker (CD11b, CD45)について免疫染色 結果:培養したMSCをフローサイトメトリー測定し、培養された細胞が、MSCであることを確認した。
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