研究実績の概要 |
胆道癌の治療の第一は外科切除であり、術式および周術期の管理の向上とともに治療成績は向上しているが、いまだ予後不良の癌の一つである。その理由は、抗癌剤の効果が不十分であり、画像診断では捉えられない微小転移の制御が困難でることが一因である。そこで、予後向上のために微小転移の根絶が必須と考え、われわれは間葉系幹細胞(mesenchymal stem cell, 以下MSC)の一つである多能性幹細胞(Multiliniage-differentiating stress enduring cells(Muse細胞))のターゲッティング性を生かした癌標的治療を開発する発想となった。本年度は、間葉系幹細胞の分離し、昨年、フローサイトメトリーにて、Positive marker (CD29, 44, 73, 105, 106, Sca-1)およびNegative marker (CD11b, CD45以下の表面マーカーを用いて、培養された細胞が、MSCであることを確認した。本年度は、多分化能を有するかどうかを、はじめに骨細胞分化と脂肪細胞分化の二つで確認した。 実験方法 1.9-12週齢相当のBALB/cマウスの大腿骨/脛骨より骨髄細胞を採取回収し、培養。血球成分を除去し、MSCsを増殖させる。 2.骨細胞分化には、αMEM, FBS, L-glutamine, antibiotics, Dexamethasone, Ascorbic acid, β-glycel phosphateを用いてconfluentしたMSCを14日間培養して、分化の確認を骨基質であるArizarin Redで染色し確認した。 3.脂肪細胞分化には、αMEM, FBS, L-glutamine, antibiotics, Insulin, Dexamethasone, 3-isobutyl-1-methylxanthineを用いてconfluentしたMSCを14日間培養して、脂肪滴をOil Red O染色し確認した。 結果;免疫染色により、採取培養したMSCは骨細胞分化能と脂肪細胞分化能を有し、多分化能を有することを確した。
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