研究課題/領域番号 |
25670573
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
奥村 直樹 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (80422715)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | c-Met / Hepatocyte Growth Factor / EMT / colorectal cancer / liver metastasis / TGF- β |
研究概要 |
当科では、大腸癌肝転移発現過程における肝細胞増殖因子(Hepatocyte Growth Factor: HGF)受容体であるc-Metとの関わりを検討してきた。その結果、原発巣でc-Met発現が高い症例では有意に肝転移が多い一方で、転移巣ではc-Metの発現が低下することを確認している。この現象を解明することを目的として、癌の転移に関連が深いとされている上皮間葉転換(Epithelial Mesenchymal Transition: EMT)との関連に注目し研究を計画した。具体的にはHGFによる細胞内シグナルにつき、一般的なEMT誘導因子であるTransforming Growth Factor-β(TGF-β)と比較することでHGF/c-Metの肝転移への関連を明確にする予定である。また、EMT発現時の抗がん剤への感受性について併せて検討することで実地臨床での治療戦略の構築(外科的切除の時期的選択)を目指している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在TGF-β、HGFの両者でEMTが誘導されることを確認し、さらにTGF-βではsmadを中心にシグナルが活性化されている一方で、HGFはsmad非依存性でExtracellular signal-regulated kinase (ERK)や AKT経路を介してEMTを誘導していることが示唆された。
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今後の研究の推進方策 |
HGFによりEMTが誘導された状態での抗癌剤(5FUあるいはoxaliplatin)に対する感受性をMTT assayから評価するとともに、western blotによるシグナル因子の観点からも検討する。
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