研究課題
本研究において、ラット肝臓、マウス肝臓を界面活性剤(0.5%SDS)を含む溶液で穏やかに還流し、細胞成分を完全に除去し、肝臓の微細形態を保持した[肝臓基質]を作製し、この肝臓基質にiPS細胞由来ヒト肝細胞還流によって移植し、生着させ肝臓基質の再細胞化を目標に、実験を行った。1)「肝臓基質」作製;ラット肝臓、マウス肝臓を用い、ex-vivo閉鎖系(体外循環系)で培養可能となるように動物の門脈と胸部下大静脈にカニュレーションを行い、0.5%SDSを含む溶液で穏やかに還流し、細胞成分を完全に除去し、肝臓裏面の腹部下大静脈を閉鎖した。これによってex-vivo閉鎖系の肝臓基質を作製することができた。2)iPS細胞から肝細胞への分化誘導の効率化;ヒトiPS細胞を、ActivinA 100 ng/ml添加したRPMI Medium1690+B27 supplement中で、37℃、5%CO2、4%O2条件下で5日間培養し、増殖因子を20ng/ml HGFに変更し、引き続き低酸素条件下で5日間培養した。その後、20ng/ml OSMとHCM Single Quotsを添加したHepatocyte Basal Mediumで37℃、5%CO2条件下で5日間培養することにより、肝細胞へと分化誘導させた。さらに、ウイルスベクターによる遺伝子導入、フィーダー細胞としての肝星細胞の利用やGHをもちいることでALBの発現増加がみられた。3)「肝臓基質」再細胞化;「肝臓基質」でのiPS細胞由来肝細胞と星細胞の混合培養を行ったが、ALBとCYP3の発現からは、有意差をもって、肝星細胞の共培養が有効であるという結果には至らなかった。
すべて 2015
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Cell Transplant.
巻: 24 ページ: 1127-1138
10.3727