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2013 年度 実施状況報告書

マイクロRNAによる心筋前駆細胞への分化誘導制御

研究課題

研究課題/領域番号 25670595
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関山口大学

研究代表者

細山 徹  山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20638803)

研究分担者 李 桃生  長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 教授 (50379997)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワードヒトiPS細胞 / 骨格筋前駆細胞 / 心筋前駆細胞
研究概要

本研究では、ヒトiPS細胞から「心筋前駆細胞」と発生学的に近い細胞である「骨格筋前駆細胞」をそれぞれ誘導し、両者のマイクロRNA発現プロファイルを比較することで、心筋前駆細胞への分化スイッチを制御するマイクロRNAを同定する。
これまでに申請者は、ヒト多能性幹細胞から効率良く骨格筋前駆細胞を誘導する分化誘導プロトコルを開発している(Hosoyama et al., Stem Cells Translational Medicine. 2014)。しかし、一般にヒト多能性幹細胞は株間で特定細胞への分化効率が大きく異なることから、まず、本研究で用いるヒトiPS細胞株を用いて骨格筋前駆細胞分化誘導プロトコルが有効であるかの検討を行った。その結果、これまでと異なるヒトiPS細胞株を用いても同様に効率良くPax7陽性の骨格筋前駆細胞を誘導できることが確認された。また、低分子化合物を用いたWnt阻害によりNkx2.5陽性の心筋前駆細胞を効率よく誘導できることを確認した。最近、発生において骨格筋分化にmiR-1ファミリーが重要であることが示されていることから、ヒトiPS細胞由来骨格筋前駆細胞においてmiR-1ノックダウンを試みた。しかし、心筋細胞系譜への分化転換は生じなかったことから、骨格筋から心筋への分化転換誘導においてはmiR-1ファミリーは決定因子ではない可能性が示唆された。今後、未分化ヒトiPS細胞、ヒトiPS細胞由来骨格筋前駆細胞、ヒトiPS細胞由来心筋前駆細胞の三細胞間で、マイクロRNAの発現プロファイルを作成し、心筋前駆細胞分化に必須なマイクロRNAを同定する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

所属先でこれまでにヒトiPS細胞を用いた研究が行われてこなかったことから、初年度の前半は培養系の立ち上げに奔走し、研究計画よりも若干の遅れが生じてしまった。その一方で、次年度に計画している細胞移植実験に必要なマウス心筋梗塞モデルを安定供給する系が確立されたため、研究計画の若干の遅れは十分リカバリーできるものと考えている。

今後の研究の推進方策

初年度に研究を進めていく中で、申請者の確立したプロトコルで誘導した骨格筋前駆細胞に心筋細胞系譜への分化転換能が存在する可能性を認めた。具体的には、培養条件を変化させることで骨格筋細胞系譜から心筋細胞系譜への分化転換が生じた。このことは、申請者の誘導したヒトiPS細胞由来骨格筋前駆細胞に分化可塑性が備わっていることを示唆している。それ故に今後は、ヒトiPS細胞由来骨格筋前駆細胞から心筋細胞へ分化転換させる際に変化するマイクロRNAの発現解析も検討する予定である。

次年度の研究費の使用計画

研究計画に若干の遅れが生じ、行う予定であった遺伝子発現プロファイルの比較を次年度に実施することとなったため。
遺伝子発現プロファイル作成に必要な網羅的発現解析を行う為の費用として使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Derivation of Multipotent Spheres from Human Pluripotent Stem Cells for Cell-based Therapy in Heart and Skeletal Muscle Diseases2014

    • 著者名/発表者名
      Tohru Hosoyama, Makoto Samura, Tomoaki Kudo, Masatoshi Suzuki, Kimikazu Hamano
    • 学会等名
      Keystone Symposia, Growth and Wasting in Heart and Skeletal Muscle
    • 発表場所
      Santa Fe, New Mexico, USA
    • 年月日
      20140126-20140131

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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