本研究の目的は、心筋前駆細胞の新たな供給材料として発生学的に近縁な骨格筋前駆細胞SMPCの有用性について、マイクロRNAによる分化制御やSMPCの分化可塑性に焦点を当てて検証することである。本研究では、ヒトiPS細胞に由来するSMPCの集団EZスフィアがin vitroで多分化能を示すこと、さらにマウス梗塞心において心筋細胞へ分化し得ることを証明した。一方、SMPCにおけるmiR-1ファミリーの阻害では分化能に影響は見られなかった。これらの結果は、EZスフィアが骨格筋と心筋の中間前駆細胞として有用であることを示唆しており、今後はEZスフィアにおけるマイクロRNA制御についての研究が期待される。
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