研究課題/領域番号 |
25670601
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 独立行政法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
水野 壮司 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所, 非常勤研究員 (50632741)
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研究分担者 |
山南 将志 京都府立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (30438204)
中山 泰秀 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (50250262)
岩井 良輔 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所, 流動研究員 (60611481)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 組織工学弁 / 経カテーテル的弁置換術 / 心臓血管外科 |
研究概要 |
我々が提唱する「生体内組織形成術」を用いると自家組織のみからなる血管(Biotube)や心臓弁(Biovalve)が体内で作製可能で、犬肺動脈弁位への移植に成功するなど、動物実験で有用性を報告してきた。またBiovalveとステントを体内でステントバルブへの一体成形も可能で、ヤギへの経カテーテル的大動脈弁置換実験を進めている。一方、僧帽弁に対しては、位置や形状の特殊性から従来品の流用は困難で、特化した設計が必要となる。そこで本研究では、完全自家組織からなる僧帽弁用ステントバルブの開発にチャレンジする。バルブ作製用鋳型試作、バルブ作製、生体外機能評価、犬動物移植実験を繰り返して鋳型の完成度を高め、1ヶ月の生体内での機能維持を目標とし、本研究を開始した。【平成25年度】本年度はstent biovalveの作製とそsのin vitro機能評価、ビーグル犬の僧帽弁置換術を行うことを計画した。皮下に埋入する基材の形状を工夫することで効率よくstent biovalveを作製することが可能となった。また、作製されたstent biovalveは大動脈弁条件に設定したin vitro機能評価実験において、逆流率4%、開口率89%と良好な弁機能を示した。in vitro機能評価の結果をもとに、ビーグル犬への経カテーテル的移植を実施した。左心房に巾着縫合を施した後に左心房切開しカテーテルを挿入、透視下にて確認しながら僧帽弁位へstent biovalveを挿入した。僧帽弁位への留置は可能であったが、留置後徐々に左心房側へ逸脱した。最終的にはNative僧帽弁の上に乗る形になってしまったものの、摘出時の心エコー検査でもbiovalveは良好に開閉していた。摘出後の組織学的検査ではBiovalveは完全に内皮化されており、Biovalveの生態適合性の高さが確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度の目標はstent biovalveの作製とそのin vitro機能評価、ビーグル犬の僧帽弁置換術を行うことであった。そのうち、stent biovalveの作製とその効率化に成功した。また、目標としていたstent biovalveのin vitro機能評価も実施し、良好な結果を得ることができた。最終目標としていた動物実験においても、僧帽弁位への移植は可能であったものの、移植後に変位し、理想的な結果を得ることができなかった。今後は房室弁により適した形態のstent biovalveの開発が必要である。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度に引き続き、僧帽弁用stent biovalve設計の最適化を行う。現状では左心房よりアプローチしているが、心尖部からのアプローチも検討する。最適化の後に僧房弁位へ移植し、短期から中期予後および心エコー検査を実施、移植弁を評価し、移植長期経過例の弁検査等をを観察する。
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次年度の研究費の使用計画 |
年度末に予定していた出張が先方の実験都合上延期となったため 本年度実施予定だった実験を本年度追加し、計画通り実験を行う
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