研究課題/領域番号 |
25670603
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研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
住倉 博仁 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 特任研究員 (20433998)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | バイオバルブ / 全人工心臓 / 人工弁 / 自己組織 / 模擬循環回路 |
研究実績の概要 |
本研究では、皮下などの体内を組織構築の場(バイオリアクター)にして自己組織からなる移植片を作製する新しい生体内組織形成術(In body tissue architecture technology)を応用し、全人工心臓用バイオバルブの開発を目的としている。 本年度は昨年度試作した肺動脈弁用ステント付バイオバルブの改良を行い、生体外機能評価を行った。更に、完全に自己組織のみからなる導管付バイオバルブの作製を開始した。 (1) 昨年度開発したステント付バイオバルブの弁葉形状は開放位であり、弁葉が閉じる際の逆流が多いことから改良の必要性が示唆された。そこで、アクリル基材のデザインを変更することで閉鎖位型ステント付バイオバルブの試作を試みた。改良したアクリル製基材とステントとを組み合わせた鋳型を成ヤギの皮下に埋込した。約一カ月後に摘出し、アクリル基材を除去することでステントと結合組織からなる閉鎖位型ステント付バイオバルブ(内径25 mm)の試作品を作製した。 (2)得られた試作品を肺動脈弁位に接続して、拍動流模擬循環回路を用いた機能評価試験を行った。作動流体は37℃の生理食塩水を用いた。肺循環系の圧力負荷に対するバイオバルブの弁機能に関して検討を行った結果、開放位型の逆流率は約11%であったのに対し、閉鎖位型の逆流率は約6%であった。弁葉形状を閉鎖位型にすることでステント付バイオバルブの性能の向上が確認された。 (3)ステント付バイオバルブと比較し耐久性の向上が期待可能な完全に自己組織のみからなる導管付バイオバルブの試作を開始した。3D CADにて導管付バイオバルブ基材の設計を行い、3Dプリンタを用いてアクリル製の鋳型を作製し成ヤギの皮下に埋込した。約一カ月後に摘出し、アクリル基材を除去することで完全に結合組織のみからなる導管付バイオバルブの試作品を作製した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ステント付バイオバルブの鋳型を閉鎖位型へ改良し、成ヤギへの埋め込みによる閉鎖位型ステント付バイオバルブの試作を実行できた。拍動流模擬循環回路にて肺循環系の条件下にて閉鎖位型ステント付バイオバルブの生体外弁機能評価を実施できた。導管付バイオバルブの鋳型の設計・製作を基に、成ヤギへの埋め込みによる導管付バイオバルブの試作を実行できた。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、試作した導管付バイオバルブの拍動流模擬循環回路を用いた生体外評価を実施する。評価結果は適宜バイオバルブの改良にフィードバックさせて完成度を高める。並行して、導管付バイオバルブ組み込み用血液ポンプを試作し、バイオバルブとの一体化を図る。試作した血液ポンプを用いて、模擬循環回路における性能評価を実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
バイオバルブ組み込み用血液ポンプを作製するための試作加工費を計上したが、より耐久性の高い導管付バイオバルブを組み込むこととしたため、次年度試作することとした。
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次年度使用額の使用計画 |
バイオバルブ作製のための鋳型、バイオバルブを組み込むための血液ポンプ等を作製するための材料・部品の購入費や試作加工費として使用する。また、本研究の成果を国内外に広く発表する目的での学会参加出張旅費として使用する。
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