研究課題/領域番号 |
25670608
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
横見瀬 裕保 香川大学, 医学部, 教授 (80231728)
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研究分担者 |
後藤 正司 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (40398029)
呉 哲彦 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (50313656)
奥田 昌也 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (60448355)
平井 宗一 東京医科大学, 医学部, 講師 (70516054) [辞退]
内藤 宗和 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (10384984)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 肺保存 |
研究実績の概要 |
肺の安全な保存時間は8-10時間とされており、腎臓、肝臓などと比較すると安全限界は低い。本研究の目的はまったく新しい概念の「高圧ガス保存法」を肺保存に応用し、安全で確実な肺長期保存法を開発することである。今年度はまず移植技術の精度を安定させるため、ドナー犬から左肺を摘出→ET-KYOTO液で灌流→そのままレシピエント犬に移植するという手術を行った。さらに、動脈ラインとスワンガンツカテーテル挿入の手技を確立した。その後、準備実験を行った。 全身麻酔下でドナーより左肺を摘出し、ET-KYOTO液で灌流した。このドナー肺を閉鎖チャンバー内に吊り下げ、4℃加湿下に高圧ガス保存法(一酸化炭素4000hPaと酸素3000hPaの混合ガス)で20時間保存した。レシピエント犬は全身麻酔後、右鼡径部より動脈ラインとスワンガンツカテーテルを挿入し、脈拍・血圧・酸素飽和度をモニタリングしながら手術を行った。レシピエント犬の左肺を摘出後、高圧ガス保存法で20時間保存したドナー肺を移植した。1時間毎に血液ガス・気道内圧・肺動脈圧・心拍出量をモニタリングし、4時間換気後に犠死とした。その際に組織学的評価目的に左肺を部分切除した。移植肺は4時間何ら問題なく換気することが可能であり、脈拍・血圧等のバイタルに変動は認めなかった。血液ガス上検査では4時間の間に酸素化はむしろ改善した(PaO2:188→248.8mmHg)。この結果をふまえ、現在はET-KYOTO液の単純浸漬群と高圧ガス保存群との比較試験を進行中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
移植技術の精度をあげること、スワンガンツカテーテル挿入やモニタリング技術を獲得することに時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
ET-KYOTO液の単純浸漬群(n=5)と高圧ガス保存群(n=5)との比較試験を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は技術の精度を上げることと準備実験が主だったため、出費が少なかった。
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次年度使用額の使用計画 |
比較実験のためにイヌを新規購入予定である。
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