研究課題/領域番号 |
25670610
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
田中 良 金沢医科大学, 医学部, 助教 (00460361)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 急性肺障害 / 骨髄由来間葉系組織幹細胞 / アクアポリン / s-RAGE |
研究実績の概要 |
本研究は、多臓器不全の主な死因となる急性肺傷害に対し、骨髄由来間葉系組織幹細胞 (BM-MSC)の傷害血管修復機能と血管内皮に高発現する細胞膜水分子チャネル aquaporin (AQP)1と高度糖化最終産物に対する受容体 receptor for advanced glycation end products (RAGE)の可溶性亜型 sRAGEの2つの血管保護的な多機能分子に着目し、AQP1ならびに sRAGE遺伝子発現修飾 BM-MSCの全身投与による急性肺傷害に対する新規治療法の確立とその機序の分子レベルでの検証を目指すことが目的である。 BM-MSCのみならず肺血管保護・修復促進に関わるキー遺伝子である AQP1とsRAGE遺伝子発現修飾を加え治療効率の向上を目指すことが独創点である。 その前段階として、一昨年は、ヒト肺において正常肺および気腫性肺におけるRAGE発現に関する研究を行い、ImageJを用いて半定量解析を行い、気腫性肺におけるⅠ型肺胞上皮細胞および肺胞マクロファージにおいて発現が亢進しているが、細気管支上皮細胞においては発現は変わらないことを突き止めた。また、喫煙歴に関して同様にヒト正常肺と気腫性肺においてRAGE発現の解析を行ったが、喫煙歴とRAGE発現は無関係であることが証明された。 本年は、RAGEのリガンドの一つである、AGEsについて一昨年同様ヒト肺において気腫性肺におけるAGEs発現に関する研究を行った。AGEsに関してはRAGEと異なる結果となり、正常肺と気腫性肺において、AGEsに差はなく、喫煙歴で解析を行ったが同様に差がない結果となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本来の目的であるBM-MSC細胞の分離・培養をウサギモデルで試みたが、目的とする細胞の十分な分離・培養ができておらず、したがって次のステップであるGFP遺伝子の導入およびAQP1遺伝子の導入に進めていない。
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今後の研究の推進方策 |
今後に関しては、ウサギやラットの実モデルによるBM-MSC細胞の分離・培養が困難であるため、外部から購入し、これにGFP遺伝子の導入およびAQP1遺伝子の導入およびそれらの肺障害モデルに対する投与実験を試みる予定である。
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