非小細胞肺癌幹細胞を標的とした新しい治療法を開発することを目標として、人工肺癌幹細胞株の作製を試みた。がん幹細胞関連分子としてlarge non-coding RNAのHOTAIRに着目し、肺癌細胞株A549に遺伝子導入した。HOTAIRの導入により細胞遊走能は亢進した。逆にsiRNAを用いてHOTAIRの発現を抑制すると、細胞遊走能も減弱した。免疫不全マウスへの皮下移植モデルでは腫瘍形成能に差を認めなかったが、尾静注による転移モデルではHOTAIR強制発現株で肝転移・骨転移を増加させる傾向を認めた。ヒト肺癌においてHOTAIR高発現例は悪性例が多く、術後無再発期間が有意に短縮していた。
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