SDラットを用いイソフルレン吸入全身麻酔下にステレオ定位脳手術装置を用いて培養したC6グリオーマ細胞を1x10 6個脳内移植した。腫瘍移植後1週間後に再び全身麻酔下に大腿動静脈にカニュレーションし、FDGおよびC12酢酸を静脈内投与したのち、dual PET撮像を行い、経時的に動脈採血を行うことで定量的画像を撮像する計画を立てたが、実際は脳腫瘍モデルの致死率が高く。C12酢酸オートラジオグラフィーにより半定量的に解析を行った。その結果腫瘍に取り込まれるC12酢酸が画像化され、腫瘍モデルにおいてグリア細胞代謝が亢進しているデータが得られつつある。 さらに骨髄由来血管内皮前駆細胞(BM-EPC)を10-11週齢の雄Splague-Dawleyラットに全身麻酔をハロセンで行い、大腿骨を外科的に露出、骨髄穿刺しPBS(-)により洗浄吸引することにより骨髄細胞を採取し、Ficoil-Paqueを用いた遠心分離により顆粒球分画を抽出し、さらに血管内皮栄養因子(VEGF)存在下にEBM-2培地を用いてにフィブロネクチンでコーティングしたシャーレ上で2週間培養することで大量のBM-EPCを得た。これらのBM-EPCを1x10 6個静脈内投与を行ったが、腫瘍に集積はしなかった。結論として血管内皮前駆細胞を用いた脳腫瘍血管制御療法はうまくいかず、実臨床においてVEGF中和抗体の腫瘍制御効果が示され、VEGFのコントロールにより腫瘍血管を制御する方法の方が優れていると考えられた。
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