研究課題/領域番号 |
25670627
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研究機関 | 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
片倉 隆一 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん薬物療法研究部, 特任研究員 (10442675)
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研究分担者 |
田沼 延公 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん薬物療法研究部, 主任研究員 (40333645)
伊藤 しげみ 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん薬物療法研究部, 特任研究員 (80600006)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 代謝 / 解糖系 / ワールブルグ効果 / PKM / グリオーマ |
研究実績の概要 |
グリオーマにおける解糖系異常亢進(ワールブルグ効果)に密接に関与する、解糖系酵素ピルビン酸キナーゼM(PKM)の酵素型変換(PKMスイッチ)と、その原因たるスプライシング異常を採り上げ、グリオーマの新規診断・治療標的として開発することを目的として、研究に取り組んだ。; (1)前年度までに樹立したPKM1-、およびPKM2-ノックインマウスの解析を行い、成体マウス神経幹細胞におけるPKMスイッチ不能化を確認した。通常、側脳室脳室下帯領域(SVZ)における神経幹細胞や神経前駆細胞、および上衣細胞では、PKM2を発現している。PKM1-ノックインにより、上記のPkm2発現を排し、代わりにPkm1を発現するよう施したが、顕著な異常は観察されなかった。従って、Pkm2の発現は、神経幹細胞の維持や上衣細胞の発生には必須ではないことが分かった。一方、Pkm2ノックインマウスの脳でも、これまでのところ神経・グリア細胞分化異常等はみとめられていない。今後、さらなる詳細な解析を行い、ノックインの影響を精査する必要であると思われる。 (2)前年度に見出した、PKMの酵素活性を抑制または上昇させる化合物について、化合物ライブラリーから一次スクリーニングで同定した、約20種の化合物について、それらの作用機序を検討した。PKM精製標品を用いた、試験管内でのPKアッセイを行ったところ、上記化合物は全て、PKMの酵素活性には影響を及ぼさなかった。従って、上記化合物は、細胞内シグナル伝達や代謝物レベルの変動を介して、間接的にPKM活性を変動させていることが示唆された。
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