研究課題
昨年度の本研究において、カバードステント留置によって瘤の塞栓と側枝血流維持を両立できる孔設計の候補を流体力学的機能評価によって絞ることができた。本年度はその効果を調べる目的で、実験的に動脈瘤を作製した動物モデルによって検証を行った。実験的動脈瘤は、兎腕頭動脈でエラスターゼ処理することで右頸動脈を一部変性させて動脈瘤化させることで作製した。カバードステントはバルーンカテーテルにマウントし、カットダウンした大腿動脈に挿入したシースから血管内に誘導した。アンギオ室内にて血管造影しながら動脈瘤の開口部まで進め、バルーンを拡張させることでステントを留置した。ステント留置前後でMRI像を比較し、動脈瘤内並びに作製し動脈瘤近傍に元々存在していた側枝の血流変化を詳細に調べた。動脈瘤内の血流は直後に遅延し、ほぼ動脈瘤は造影されなくなり、造影上消失し、塞栓されたと判断できた。一方、側枝血管の血流はほとんど変化なかった。動脈瘤の塞栓と側枝の開存は3ヵ月後も変化なかった。昨年度行った孔設計を動物実験にて確証を得ることができた。
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)
J Biomat App
巻: 28 ページ: 1097-1104
10.1177/0885328213498293
Clinical Neurology Neurosurgery
巻: 122 ページ: 34-41
10.1016/j.clineuro.2014.04.013