ワイドネック巨大動脈瘤の治療は非常に困難である。バルーン拡張型ステントをディップコートすることでポリウレタン薄膜を形成させ、拡張時にハニカム孔となるようにレーザー加工することでカバードステントを作製した。巨大ワイドネックの外弯側動脈瘤イヌモデルにおいて、ほぼ全ての動脈瘤はステント留置によって直後に塞栓効果が得られ、開口部は内皮細胞を含む内膜で完全に覆われた。また、分枝血管ウサギモデルにおいて、ステントを二重に留置しても分枝血管の血流はほとんど変化なかった。孔のデザインによって優れた動脈瘤の塞栓性と分枝血管の開存性が両立することを本研究で確かめることができた。
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