本研究は関節軟骨が低酸素環境に存在することに着目し、変性に伴う関節軟骨の酸素濃度変化と変形性関節症への関与を調べることを目的に行われた。加齢や外科的変形性関節症モデルでは変性の進行に伴い関節軟骨の酸素濃度は上昇し、その結果HIF-1αの発現が低下していることがわかった。またHIF-1αが低下することでMMP13やMMP9などの変性マーカーが上昇することをin vivo とin vitroで示し、HIF-1αがanti-catabolicな作用を有することを明らかにした。よって関節軟骨の酸素濃度が上昇し、HIF-1αが低下することで変性マーカーが上昇し、変形性関節症が進行することがわかった。
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