研究課題
マウス初代関節軟骨細胞を用いて細胞伸展装置にて軟骨変性関連遺伝子の発現を誘導する条件(伸展率、伸展周期、負荷時間、負荷後の培養期間)を最適化し、その条件にて得られたcDNAをマイクロアレイにて解析した。ストレス負荷によって発現量が大きく変動する遺伝子を選別し、軟骨細胞での発現が多いものを絞り込み、候補遺伝子とした。その一つ、Gremlin1について、注目して解析を進めた。Gremlin1はBMPのアンタゴニストとして知られ、肢芽発生時に重要な役割を果たすことが知られており、変形性関節症の発症によって関節軟骨での発現が増加することも報告されているが、その役割は解析されてこなかった。Gremlin1は伸展負荷だけでなく、周期的静水圧負荷装置を用いた系でも発現が増強した。リコンビナントGremlin1を培養関節軟骨細胞の培地に加えると、軟骨細胞の基質産生能は低下し、Mmp13など軟骨基質分解酵素の発現が増強した。マウス変形性関節症モデルの膝にリコンビナントGremlin1を注射すると、著しく変形性関節症が促進された。反対にGremlin1抗体をマウス変形性関節症モデルの膝に注射すると、変形性関節症の発症は抑制された。
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