研究課題
挑戦的萌芽研究
本研究では骨から視床下部・下垂体への情報伝達機構に着目し、分子生物学、細胞生物学、組織学的な実験手法を駆使して、破骨細胞RASの生理的機能とそのシグナル伝達分子を解明すると同時に、骨による成長ホルモン分泌調節因子を同定することを目的として以下の実験を実施した。1.破骨細胞特異的遺伝子欠損マウスの解析 破骨細胞特異的遺伝子欠損マウスの作成にカテプシンK Creマウスを使用し組織特異的遺伝子欠損マウスを作成した。組織学的解析の結果、当該マウスは、骨量の減少が認められた。加えて本マウスは成長障害も認められたことから、血中IGFおよび成長ホルモン濃度を測定したところ、ともに野生型マウスと比較して有意な低下が認められた。また、大腿骨より調整したRNA、蛋白を用いて、破骨細胞、骨芽細胞の分化や増殖に重要な遺伝子、蛋白の発現をリアルタイムPCR法およびWestern blot法を用いて検討した。2.破骨細胞特異的遺伝子欠損マウスにおける下垂体の解析 当該マウスの下垂体組織においてWBを用いて成長ホルモンタンパク質の発現を確認したところ、野生型マウスと比較して発現が低下していることが確認された。3.破骨細胞特異的遺伝子欠損マウス由来破骨細胞の解析 野生型マウスならびにコンディショナルノックアウトマウス由来の破骨細胞をTRAP染色および、Real-time PCRを用いて分化マーカー比較検討したところ両群に差は認められなかった。また、マイクロアレイを用いて遺伝子の網羅的解析を実施し、現在候補遺伝子の探索中である。
2: おおむね順調に進展している
マウス作成、およびその後の解析も当初の予定通り進んでいるものと考えられる。
平成25年度の研究を継続するとともに、以下の内容を実施する予定である。1.破骨細胞由来成長ホルモン調節因子の同定 破骨細胞と成長障害の関連性を骨髄移植モデルを用いて検討すると共に、マイクロアレイ解析の結果に基づいて候補となる成長ホルモン調節因子の同定を行う。2.破骨細胞由来成長ホルモン調節因子の機能解析 1.において同定された因子の組み換えタンパク質または抗体を作成し、下垂体における成長ホルモン分泌調節機構を解析する。
効率的に消耗品を使用することができたことにより、物品費を少なく抑えることができたため。次年度の研究計画では、同定遺伝子の効果をin vivoで検討する必要が有るため、マウスを使用した研究を主に計画している。そのため、本検討を充実させるために、マウス購入および維持費に使用する予定である。
すべて 2013
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件)
BMC Res Notes.
巻: 494 ページ: -
10.1186/1756-0500-6-494.
Sci Rep.
巻: 3022 ページ: -
10.1038/srep03022.
Bone
巻: 57 ページ: 343-54
10.1016/j.bone.2013.08.028.
Nature
巻: 497 ページ: 490-3
10.1038/nature12115
PLoS One
巻: 8 ページ: e60706
10.1371/journal.pone.0060706
J Neurosurg Spine.
巻: 18 ページ: 388-93.
10.3171/2013.1.SPINE12649.
J Orthop Res
巻: 31 ページ: 1308-16.
10.1002/jor.22368.
Spine (Phila Pa 1976).
巻: 38 ページ: 196-501
10.1097/BRS.0b013e318273a4f7.