研究課題/領域番号 |
25670646
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
冨田 哲也 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 寄附講座准教授 (30283766)
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研究分担者 |
椚座 康夫 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (60507193)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 関節リウマチ / C1q / 新規ペプチド / 炎症性サイトカイン / 関節破壊 |
研究概要 |
① 実験的関節炎モデル動物での新規ペプチドによる治療効果の検討:type IIコラーゲンで免疫し関節炎を発症させたラットコラーゲン関節炎モデルにおいて明らかに関節発症後に新規ペプチドを腹腔内投与しその治療効果を検討した。エンドポイントでの関節炎スコアーはC1qペプチド投与群で有意に改善を示した。その改善レベルは現在臨床で第一選択薬として使用されているメトトレキサート投与群とほぼ同程度の関節炎抑制効果であった。また画像的、組織学的にもC1qペプチド投与群で明な関節破壊抑制効果を示した。一方安全性評価としてエンドポイントで各種主要臓器の組織学的検討を行なったがC1qペプチド投与群で明らかな異常を認めなかった。 ② 実験的関節炎モデル動物おける新規ペプチドによる作用機序の検討:C1qペプチド投与の生体内作用機序を明らかにする目的で初回観作後21日で罹患足関節部よりmRNAを抽出しRT-PCRで各種炎症性サイトカインなどの発現を検討した。C1qペプチド投与群では罹患足関節の遺伝子レベルでのTNF alpha, IL-1 beta, MMP-3の発現は有意に低下しており、少なくともC1qペプチド投与群により炎症性サイトカインの抑制効果が生体内で明らかとなった。 ③ ペプチド配列の生体内耐性強化:C1qペプチド投与の生体内安定化の増強する目的でペプチド配列の安定化を検討した。具体的にはペプチドのアラニンスクリーニングを施行しているが、未だ最終的なペプチド配列決定には至っていない。H26年度の早い段階でペプチド配列を決定しin vitroの実験を行なう予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は大きく3つの実験系での研究を計画し、in vivoの実験系(1、2)に関しては大旨順調に実施できたと考えている。唯一新規ペプチドの生体内耐変性強化目的でのペプチド配列の最終決定ができず、配列し直したペプチドでのC1q , IgGの結合阻害実験のみが未実施となっている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
H25年度に実施できなかった新規ペプチドの耐性に関しては現時点で既に最終決定でき、H26年度当初よりin vitroでのC1q, IgG結合阻害実験を実施する予定である。 また当初の予定どおりH26年度はコラーゲン関節炎モデルを用い、IgGの免疫染色を行い罹患関節局所での新規ペプチド投与によるC1q, IgG複合体形成への影響を検討する。ペプチド濃度による治療成績への影響を検討する。H25年度に引き続き、関節破壊に重要な役割を果たす破骨細胞系への影響を検討する目的で、屠殺したラット大腿骨骨髄内より骨髄細胞を採取し、M-CSF, RANKLで刺激し破骨細胞を誘導し、新規ペプチド投与による破骨細胞誘導に対する影響をTRAP染色による多核細胞数やpit formationによる骨吸収活性を検討し明にする。 当初の予定どおり、耐性強化ペプチドのin vitroでの検証結果をふまえ、耐性強化したペプチド配列のヒトでの反応性を検討する。リウマチ患者の手術時に得られた滑膜組織を使用し培養滑膜細胞を樹立する。対照群は変形性関節症の患者より得られた培養滑膜細胞とする。具体的にはヒトRA培養滑膜細胞をTNF alphaで刺激し新規ペプチドを添加し24hr後にRNAを抽出しRNAレベルの各種炎症性サイトカイン、MMP3発現レベルをreal-time PCRで検討する。 さらにより詳細な作用機序解明の目的でC1qのWntシグナルを介した経路への新規ペプチドの影響を検討する。RAの関節破壊に重要な役割を果たす破骨細胞系におけるWntシグナルとC1qの関連につき検討する。具体的にはヒト末梢血単球(M-CSF, RANKL添加)破骨細胞誘導系でC1qペプチドを添加し、Wntシグナル下流の転写因子TREのreporter gene assay を施行する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
新規ペプチド生体内耐性向上のためアラニンスクリーニングで最終配列を決定しin vitroでの最終配列でのC1q, IgG結合阻害実験を予定していたが、H25年度中に最終決定にいたらずこの部分の実験が未実施になっているため、当初の見込み額と執行額が異なった。 上記実験も継続して行なっており、研究全体の計画には変更なく、前年度の研究費も含め、当初の予定通りの計画を進めて行く予定である。
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