研究実績の概要 |
本研究では、新しいタンパク質分析法である SILAC(Stable isotope labeling using amino acids in cell culture)法を用い、薬剤耐性細胞株におけるタンパク質発現を網羅的定量解析し、リアルタイムに発現タンパク質の変動を検出することを目的とする。 今年度は、昨年度作成したアドリアマイシン耐性骨肉腫細胞株(MNNG/HOS, U2OS)株について薬剤耐性の評価を行った。次に親株、耐性株各株について、アドリアマイシン添加群、非添加群において8-plex iTRAQ安定同位体標識を使用して、サンプル間相対定量を行った。全体で3000のタンパクを同定可能であった。耐性株において、既知のABC トランスポーターであるABCP1などの発現亢進を認めた。その他の発現タンパクは現在検討中である。 これらの手法によって、薬剤耐性の機序に関与するタンパクを見出すことが可能であった。
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