研究課題
Bone morphogenetic protein(BMP)は、胎生期の骨格形成を始めとする生理的骨格形成や、骨格筋組織で異所性骨化が起こる遺伝性難病(FOP)に重要な成長因子である。我々は、BMP 受容体が活性化する細胞内情報伝達の解析をおこなった。その結果、BMP受容体によってリン酸化される転写因子Smad1にリン酸化を模倣した変異を導入し筋芽細胞に過剰発現させると、BMP刺激と同様に骨芽細胞分化を誘導できることを見いだした。本研究では、BMP受容体によって活性化されるSmad1、Smad5,およびSmad8にも同様のリン酸化を模倣した変異を導入し、Smad8だけが特殊な活性を持つことを見出した。この活性はリンカー部分の一次構造に依存しており、この活性は細胞内のコリプレーサーとの結合によるものと予想された。予想外に、Smad8は、Smad1よりも標的遺伝子配列への結合能が高く、むしろ競合的にBMP活性を抑制する可能性も示唆された。いこのように、BMP受容体がリン酸化によって活性化するSmad1/5/8は、それぞれシグナル伝達における機能が異なる可能性が示された。
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