研究課題/領域番号 |
25670659
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
高相 晶士 北里大学, 医学部, 教授 (90439117)
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研究分担者 |
松下 治 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (00209537)
馬渕 洋 東京医科歯科大学, その他の研究科, 助教 (50424172)
内田 健太郎 北里大学, 医学部, 助教 (50547578)
井上 玄 北里大学, 医学部, 講師 (80594209)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 人工骨膜組織 / コラーゲン結合型成長因子 / 機能性人工骨膜 |
研究概要 |
細胞積層技術と成長因子アンカーリング技術を駆使して、難治性骨折や骨欠損治療に応用可能な機能性人工骨膜組織の作製を試みた。間葉系幹細胞を分離後、細胞を積層し、細胞シートを作製した。種々の組織から間葉系幹細胞を分離し、細胞シートを作製した結果、骨膜組織由来の間葉系幹細胞が細胞シート作製に適していた。リアルタイムPCRによる検討から、細胞シートは単層培養細胞に比べ、BMP2、VEGFなどの成長因子の発現が高いことが明らかになった。細胞シートを大腿骨上に移植した結果、骨形成促進が認められた。細胞シートとコラーゲン結合型成長因子溶液との混合により、細胞シートにコラーゲン結合型成長因子をアンカーリングすることが可能であった。また、成長因子をアンカーリングした細胞シートは細胞シート単独に比べ高い骨形成促進能を有していた。本方法により作製した機能性人工骨膜組織は、難治性骨折や骨欠損治療に有用であると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
成長因子アンカーリング人工骨膜組織の作製に成功し、その有用性を in vivoで確認した。おおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
患者自身から骨髄間葉系幹細胞を採取後、間葉系幹細胞シートを作製し、ファイナルプロダクトの検査により安全性を担保するには一定の時間を要する。従って、緊急性を要する交通外傷患者の骨折治療を実現するためには即時治療可能なシステムの構築が必須である。今後は、同種骨髄間葉系幹細胞を用いた機能性人工骨膜組織の有用性を検討する。また、コラーゲン結合型成長因子の最適化を行い、機能性人工骨膜組織の機能向上を目指す。
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