平成25年度から27年度の研究活動を通じて、神経障害性疼痛を始めとする慢性痛の発生に関して、基礎医学的側面から発症のメカニズム、特に組織学的、薬理学的、行動学的に知見を深めた。あわせて、高次脳機能の痛み認知に関するメカニズムについても、脱水状態をモデルとして、全身状態と痛みの関係を明らかにした。これまでの研究成果からは、慢性疼痛を将来する病的メカニズムは階層的、且つ段階的であり、発症機転や病期によって役割を演ずる細胞も組織学的経路も変化することが示唆された。病期を確定する診断技術開発として心理テスト的スコアの有効性ならびにfMRIによる客観的診断の可能性を確認した。
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