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2013 年度 実施状況報告書

幼弱脳への麻酔薬の毒性:iPS細胞による毒性評価系の確立及び予防・治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 25670666
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

槇田 浩史  東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (20199657)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード麻酔薬毒性 / 幼弱脳 / アポトーシス / ミトコンドリア / 活性酸素種
研究概要

平成25年度はヒトiPS細胞由来の神経幹細胞培養系を用いた毒性評価系の確立をめざし、ヒトiPS細胞由来の神経幹細胞を14日間、培養し、ドパミン作動性ニューロンに分化させた細胞に対して、ケタミン(0、5、20,100,500,2000μM)を24時間作用させ、生細胞の割合、Caspase-3活性(アポトーシスの誘導)、ATP産生量、ミトコンドリア電位の変化、NADH/NADの割合の変化について検討した。実験系を構築する目的で、併せて、ヒト由来の不死化神経培養細胞ReNCell CXを用いて、同様の検討をした。ReNCell CXおよび、ヒトiPS細胞由来の神経幹細胞培養のいずれにおいても、100~500μM以上でATPの産生量が低下し始め、NADH/NADの割合が上昇した。また、Caspase-3の活性は500μMで上昇し、ミトコンドリア電位も500μMで低下が認められた。ある一定の濃度より高濃度のケタミンを作用させると、アポトーシスが誘導されることが確認された。
ヒトiPS細胞由来の神経幹細胞については、コリン作動性ニューロンに分化させた細胞を用いた実験も試みたが、Caspase-3および、ATP産生量に関する検討では、ドパミン作動性ニューロンと反応に差がなかった。
これらの結果は、大まかな性質としては、過去にヒトES細胞由来の神経幹細胞で報告されたものと類似の反応ということができ、ヒトiPS細胞由来の神経幹細胞培養でも、ケタミンの毒性評価系を構築することができることが示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ヒトiPS細胞由来の神経幹細胞培養系を用いた毒性評価系の確立については、順調に経過していると考えられる。ケタミンによる毒性がどのようなメカニズムで発生するのかを検討課題として、現在研究を進めている。

今後の研究の推進方策

平成25年度の研究をさらに進め、ミトコンドリア機能などの観点から、ケタミンの毒性について検討する。さらに、麻酔薬をセボフルランに変えて、実験系を比較する予定である。

次年度の研究費の使用計画

残額が、1万円以下であり、次年度に、iPS由来の細胞および培地を購入する予定があるため、次年度に繰り越して使用することとした。
平成26年度分の研究費と合わせ、iPS由来の細胞および培地を購入する資金として使用する予定である。

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公開日: 2015-05-28  

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