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2013 年度 実施状況報告書

麻酔薬の鎮痛作用におけるダイノルフィンとノシセプチンの役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 25670671
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関京都大学

研究代表者

福田 和彦  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90199224)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード亜酸化窒素 / オピオイド受容体 / 鎮痛作用 / 鎮静作用 / ノックアウトマウス
研究概要

申請者が所属する研究グループはノシセプチン系が亜酸化窒素の鎮痛作用に関与するという仮説を立て、これまでにノシセプチン受容体欠損マウスあるいはノシセプチン受容体拮抗薬投与マウスで亜酸化窒素の鎮痛作用が有意に減弱することを示した。また、受容体選択的拮抗薬を用いることにより亜酸化窒素の鎮痛作用にκオピオイド受容体が重要な役割を果たすことを明らかにした。また、μオピオイド受容体欠損マウスでは亜酸化窒素の鎮痛作用は野生型と差がなく、一般に麻薬の作用で最も重要な役割を果たすことが知られているκオピオイド受容体は亜酸化窒素の鎮痛作用に関与していないことが示唆されている。
本研究では、κオピオイド受容体欠損マウスにおける亜酸化窒素の作用を検討した。亜酸化窒素の鎮痛作用を酢酸ライジング試験とホットプレート試験で検討したところ、いずれの方法でもκオピオイド受容体欠損マウスにおける亜酸化窒素の鎮痛作用は著明に減弱していることが明らかになった。また、亜酸化窒素の鎮痛作用は下行抑制系の活性化を介することが報告されているが、下行抑制系活性化の指標である腰髄後角のc-Fos発現はκオピオイド受容体欠損マウスで低下していた。一方、亜酸化窒素の鎮静作用を立ち直り反射消失効果により評価したところ、κオピオイド受容体欠損マウスと野生型マウスで有意差はなかった。以上の結果は、亜酸化窒素の鎮痛作用はκオピオイド受容体活性化を介するが、鎮静作用はκオピオイド受容体以外の機序を介することを示している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

κオピオイド受容体欠損マウスを用いた研究を中心に進めてきた結果、κオピオイド受容体が亜酸化窒素の鎮痛作用に重要な働きを果たすが、亜酸化窒素の鎮静作用はκオピオイド受容体以外の機序によることを世界に先駆けて明らかにすることができた。

今後の研究の推進方策

これまでに亜酸化窒素の鎮痛作用にはκオピオイド受容体が重要な役割を果たすことを明らかにしたが、今後は、亜酸化窒素が実際にκオピオイド受容体を活性化することを示すとともに、亜酸化窒素投与によりκオピオイド受容体アゴニストであるダイノルフィンの産生が増加する可能性について検討することを計画している。

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公開日: 2015-05-28  

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