研究課題/領域番号 |
25670676
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
下坂 典立 日本大学, 松戸歯学部, 助教 (90297854)
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研究分担者 |
小林 良喜 日本大学, 松戸歯学部, 助手(専任扱) (10609085)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ベンゾジアゼピン受容体 / ミダゾラム / IgEクラススイッチ / IgE抗体産生抑制 / アレルギー発症抑制 |
研究実績の概要 |
ベンゾジアゼピン(BZDs)受容体には中枢性と末梢性がある。中枢性は主に神経細胞に発現し、末梢性は末梢血単核細胞など様々な細胞に発現している。近年、ミダゾラム(MDZ)がBZDs受容体に結合することで、炎症性サイトカイン(IL-6、IL-1β、TNF-α等)が抑制されることが知られ、さらに肥満細胞にMDZが作用することで、ケミカルメディエーターの放出を抑制すると報告がされている。MDZのアレルギー発症に対する影響については未だ不明である。そこで、アレルギー関連細胞であるB細胞から産生されるIgE抗体に着目し、MDZによるIgE抗体産生細胞に及ぼす影響について解析を行った。 8~10週齢のBALB/cマウスを用いて、MDZを腹腔内投与し、15分後に卵白アルブミン(1mg)およびコレラ毒素(1μg)を0、7、および14日の計3回腹腔内投与した。21日目に採血および脾臓細胞を採取し、FACS、ELISAおよびRT-PCRにて解析を行った。 MDZを投与したマウス群でB細胞表層IgE抗体の発現は有意な抑制を認めた。血清中のOVA特異的IgE抗体と総IgEは有意な抑制を認めた。また、血清中のIFN-γが有意に増加を認める一方で、IL-4は有意な抑制を認めた。さらに脾臓細胞中のIFN-γとIL-4のmRNA発現量においても、同様の傾向を認め、εGLTとεCTは有意な抑制を認める一方で、転写抑制因子であるId2は増加を認めた。クラススイッチに必要な酵素であるAIDは有意な差は認められなかった。 MDZを投与することで、Th1へ優位に傾けることが示唆され、IgEクラススイッチ組換えの関連遺伝子を制御し、IgE抗体産生を抑制している可能性が示唆された。ケミカルメディエーターの放出抑制と肥満細胞の活性化因子であるIgE抗体産生を減少することから、アレルギー発症を抑制する可能性が考えられる。
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