メトホルミンは、排卵障害に投与されるが排卵率に比し着床率が低い。そこで、メトホルミンは内膜細胞の増殖および関連シグナルを変化させることで着床不全をもたらすとの仮説を立てて検証した。メトホルミンは、子宮内膜癌細胞株の細胞増殖と関連シグナルを抑制したが、正常子宮内膜上皮由来株(EME6E7TER-ERα)には影響を与えなかった。次に、met服用者の子宮内膜組織について、メトホルミンの影響を検討した。メトホルミンは、癌組織のERK・mTOR経路の抑制・増殖マーカーを低下させたが、正常内膜には影響を与えなかった。以上より、メトホルミンは正常内膜細胞の増殖シグナルと増殖に影響を与えないと考えられた。
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