研究課題/領域番号 |
25670702
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
藤原 浩 金沢大学, 医学系, 教授 (30252456)
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研究分担者 |
佐藤 幸保 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00508236)
堀江 昭史 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30535836)
荒木 慶彦 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70250933)
西尾 健資 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70303790)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 血小板 / 子宮内膜上皮 / 細胞膜小粒子 / 細胞遊走 / 絨毛外栄養膜細胞 |
研究概要 |
子宮内での胎児発育を実現させるため、ヒトの子宮内膜は周期的な内膜の再生を行い、胚着床後の胎盤形成期にはヒトの絨毛外栄養膜細胞は母体血管に浸潤し血管内皮細胞に置換転化する。これらの上皮再生機構の異常は子宮内膜症や習慣流産などの発症に関与すると推察されるがその機序は不明のままである。本研究申請者らは血小板がこの機序に関与することを世界に先駆けて示してきたが、その後の検討で血小板から離脱する粒子成分が上皮化の最終段階である上皮細胞間の結合を誘導すること、一方で癌細胞においては誘導されないことを観察した。そこで本研究ではヒト正常子宮内膜上皮細胞由来または絨毛外栄養膜細胞由来の細胞株またはそれぞれの癌由来の細胞株を用いて細胞遊走、細胞間結合および血管内皮化を誘導する血小板由来因子の解析を行い、血小板の活性化に伴い剥離・放出される細胞膜表面の機能分子を含んだ細胞膜小粒子 (microparticle) が正常子宮内膜上皮細胞とEVTの遊走を反対に抑制し、さらに上皮の再構築を亢進する可能性が示された。さらに細胞膜小粒子による作用は癌細胞株では観察されず、これらから血小板は局所でchemokineなどからなる広い範囲に至る活性因子と細胞膜小粒子からなる比較的狭い範囲に至る2つのgradientを形成し、上皮細胞の遊走と上皮化を誘導する可能性が推定された。そこで上記のdualな作用に対す反応異常が疾患の原因になるとの新しい発想に至り、この作業仮説にそって次年度の研究を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
特に支障となるトラブルがなかったため、順調な結果が得られている。
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今後の研究の推進方策 |
上記の結果で示したように、血小板は局所でchemokineなどからなる広い範囲に至る活性因子と細胞膜小粒子からなる比較的狭い範囲に至る2つのgradientを形成し、上皮細胞の遊走と上皮化を誘導する可能性が推定された。そこでこれらのdualな作用に対す反応異常が疾患の原因になるとの新しい作業仮説にそって次年度の研究を進める予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
順調に実験成果が進み、経費が削減できたため、次年度の研究展開に予算を回した。 細胞培養経費にあてる予定である。
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