研究課題/領域番号 |
25670703
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
万代 昌紀 近畿大学, 医学部, 教授 (80283597)
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研究分担者 |
清水 章 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00162694)
山田 亮 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50301106)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 卵巣癌 / マイクロアレイ解析 / バイオインフォマティクス / バーチャルカルテ |
研究概要 |
バイオインフォマティクスを臨床医が実際に活用できるようにするためのinterfaceを構築すること、すなわち、バイオインフォマティクスに精通していない一般臨床医でも臨床カルテ上でその情報にアクセスし、臨床上の意思決定に活用できるような仕組み(プラットフォーム)を試作することが本研究の目的である。本年度はまず、 1)仮想カルテの作成;メインコンピューター(サーバー)上に仮想カルテを作成した。京都大学医学研究科で治療をおこなう卵巣癌患者に仮想IDを割り付け、これを仮想カルテ上の患者IDとした。実際の患者IDとは非連結化し、個人情報が遺伝情報とともに流出する危険性を予防した。ファイルメーカーを用いて、患者ごとの参照画面を作成、参照画面には年齢、病期、組織型といった臨床情報とともに、数値化されたマイクロアレイ情報が表示されるようにした。 2. マイクロアレイ解析のルーチン化;卵巣癌の手術標本を専用の冷凍庫に凍結保存し、バーチャルカルテ上の患者IDを割り振られた。次に、学内施設において手術材料のマイクロアレイ解析をおこない、粗データを入手、メインコンピューターに蓄積した。 3.マイクロアレイデータ解析における臨床的に有用なsignatureの同定;マイクロアレイデータから、タキソール感受性を予測するsignatureを同定した。これを用いて各患者のタキソール感受性を予測、バーチャルカルテ上に表記できるようにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者が異動したため、研究が一時、中断したが、元の施設と連携しつつ、再開している。
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今後の研究の推進方策 |
現施設においてもバイオインフォマティクスの専門家と研究協力を開始しており、今後は当初の予定通りに研究を進めていく。また、現施設ではマイクロアレイ以外にもゲノム解析等も可能となることから、これも含めた内容に変更し、さらに成果が挙げられるように推進していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
挑戦的萌芽研究(OMICS情報を臨床診療に反映するためのインターフェースとバーチャルカルテの開発)の中で、平成25年度の研究計画としてトランスレーショナルリサーチへの移行における計画策定を役割分担としていた。具体的には実験動物(癌化マウス)を用いた癌標本のラべリング化・サーバー上の仮想カルテを用いた臨床試験設計と試行である。このためマウス(SPF動物)やFunctional Annotation of Mouseクローンを購入していた。当初計画からの変更点としてはマイクロアレイデータの解析に使用するプログラムを再検討したため、実験動物を用いた試験の一部が翌年度にずれこみ物品費に残額が発生している。 この執行残高については26年度に引き続き実験動物、その他研究用消耗品を購入するために使用する予定である。なお残額が発生したことによる当初研究計画・研究目的自体の変更は発生していない。
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