羊水塞栓症の血清マーカーとしてZnCP1とSTNが用いられているが、羊水混濁がないと上昇しにくい欠点があった。そこで、羊水特異的物質としてSCCを発見したため、正常分娩後のSCCの変化および実際の羊水塞栓症における診断精度を評価した。SCCはELISAで測定した。正常経膣分娩では分娩直後に血清SCC値は上昇し、分娩後には正常値に戻ることが判明した。ROCカーブでカットオフ値を計算するとSCC値が8.8 ng/mlとなり、羊水塞栓症患者と健常者は感度、特異度が100%、97%で識別可能であった。この値は他の血清マーカーを有意に凌駕したため、羊水塞栓症の診断マーカーになりうる。
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