研究課題/領域番号 |
25670711
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
欠畑 誠治 山形大学, 医学部, 教授 (90261619)
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研究分担者 |
渡辺 知緒 山形大学, 医学部, 講師 (60344793)
古川 孝俊 山形大学, 医学部, 非常勤講師 (80466630)
伊藤 吏 山形大学, 医学部, 助教 (50344809)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 顔面神経損傷モデル / ヒト皮膚繊維芽細胞 / 神経再生 / Matrigel |
研究実績の概要 |
昨年度に引き続き以下の実験を行った。ラット顔面神経損傷モデルに対するヒト皮膚線維芽細胞移植の効果を検討するために、1.ラット顔面神経損傷モデルの改良、2. ラット顔面神経再生の評価法の再検討、3.ヒト皮膚線維芽細胞の移植を行った。 1.ラット顔面神経損傷モデルを作成するために、ラット顔面神経を切除した。イソフルレンで麻酔導入・維持を行った。左耳前部を約3cmに渡って皮膚切開。顔面神経を露出し、顔面神経頬筋枝・下顎縁枝を長さ6mmに渡って切除した後、5-0ナイロン糸で皮膚縫合した。術後に左震毛の運動麻痺を確認した。 2.顔面麻痺の評価として震毛運動の画像を撮影し、震毛運動の最大角度を用いて行った。 3.細胞移植のため、長さ8mm、内径1.5mmの75% L-lactic acid and 25% E-caprolactoneポリマーチューブを作成した。移植用の細胞は細胞外マトリックスであるMatrigelで細胞濃度5.6×10^6 /mlになるように懸濁した。移植用細胞の懸濁液を11μlチューブに充填し、移植用チューブとした。ラット顔面神経損傷モデルの作成時と同様に顔面神経を切除し、移植用チューブを頬筋枝の切除断端に10-0ナイロン糸で縫合した。ヒト皮膚線維芽細胞+Matrigelを移植したラットモデルと、コントロールとしてMatrigelのみ移植したラットモデルを作成した。これまで術後8週までに有意な改善は得られていない。 ラット顔面神経損傷モデル作成法とヒト皮膚線維芽細胞移植方法の再検討が必要と考えられる。適正な移植細胞数の検討、移植後の免疫抑制剤投与量・時期の検討が必要であると考えられる。また、適切な顔面神経切断の長さの検討が必要である。さらに術側のラット顔面神経再生の評価のために、震毛運動の最大角度に加えて客観的な電気生理学的評価法の確立が必要である
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