研究課題/領域番号 |
25670722
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研究機関 | 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所) |
研究代表者 |
鷹合 秀輝 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 感覚機能系障害研究部, 研究室長 (70401354)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 光遺伝学 / オプトジェネティクス / 人工内耳 / 蝸牛 / 有毛細胞 / 蝸牛神経 / パッチクランプ / 国際情報交換(ドイツ) |
研究実績の概要 |
現行の人工内耳は蝸牛神経を一様に電気刺激するため、蝸牛神経の持つ入出力特性の多様性を再現できていない。本研究では光遺伝学(オプトジェネティクス)を活用して蝸牛神経に光感受性タンパク質を遺伝子導入し、個々の細胞レベルでのタンパク質発現量の違いを利用することにより蝸牛神経応答の多様性の獲得を目指す。そして、生理的な蝸牛神経応答を再現し得る光学人工内耳の開発の可能性を検証する。具体的には、光感受性タンパク質であるチャネルロドプシン2をげっ歯類蝸牛神経に遺伝子導入し、青色光により光誘発性応答を引き起こす。そしてパッチクランプ法にて光誘発性応答の多様性を検証する。以下に平成26年度の研究成果を記す。1.チャネルロドプシン2遺伝子改変ラットの蝸牛において、チャネルロドプシン2の発現を示唆するVenus蛍光を確認した。2.先行研究により、野生型マウス蝸牛神経から記録される蝸牛神経応答(興奮性シナプス後電流の振幅)に多様性があることが知られてきたが、これが内有毛細胞における単一シナプス小胞の融合および融合細孔のダイナミクスによって達成され得るという新規知見を見出し、国際誌に原著論文を発表した(ドイツ・ゲッティンゲン大学耳鼻科との国際共同研究)。3.共同研究先(ドイツ・ゲッティンゲン大学耳鼻科)より難聴を呈する遺伝子改変マウスを輸入し、難聴マウスの蝸牛神経にチャネルロドプシン2を遺伝子導入する準備を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
野生型マウス蝸牛神経における蝸牛神経応答(興奮性シナプス後電流振幅)の多様性のメカニズムを解明し、国際誌に原著論文を発表した。また、チャネルロドプシン2遺伝子改変ラットの蝸牛においてチャネルロドプシン2の発現を示唆するVenus蛍光を確認し、光誘発性応答確認実験の準備を調えた。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度はチャネルロドプシン2遺伝子改変ラットの蝸牛を使って光誘発性応答の確認実験を実施する。また、平成26年度末に共同研究先(ドイツ・ゲッティンゲン大学耳鼻科)より難聴マウスを輸入したが、今後は正常聴力を有する野生型マウスでなく難聴マウスの蝸牛神経にチャネルロドプシン2を遺伝子導入するべく研究計画を修正し、より臨床応用に近い形を調えていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
遺伝子改変動物の導入が平成26年度末にずれこみ、動物の維持繁殖用の費用が少なく済んだため。
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次年度使用額の使用計画 |
遺伝子改変動物の維持繁殖、技術補助員への謝金、学会発表の旅費、論文の出版費など
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