研究課題
本研究は網膜芽細胞腫の臨床摘出サンプルをFACSにて表面抗原の発現を解析することが研究の中心となる。このため、計画では、網膜芽細胞腫摘出サンプルについて、国立がんセンターから年間10例程度、国立成育医療センターから数例程度の提供を期待していた。しかしながら、全摘手術の減少傾向その他の理由により、適用となる提供が一例もなく、主にCXCR4変異を持つマウス網膜を用いた研究を中心に行った。CXCR4は本提案の予備実験とナル網膜芽細胞腫臨床サンプルのFACS解析にて強い発現が確認されている。CRCR4は発生初期の網膜では中程度に発現しているが、発生が進むに従って発現が急激に上昇する。また視細胞よりは介在神経に強く発現している事が明らかになった。CXCR4のloss-of-functionの解析により、分化直前の網膜プロジェニター細胞の増殖に関与することが示唆され、増殖能の制御をしていることが明らかになった。一方、網膜の細胞系列を特定するための細胞内タンパク質との共染色について技術開発を行った。細胞をdetergentで穴をあけ、細胞内タンパク質を抗体で染色し、表面抗原との共発現状態について様々な分画で検討し、基礎データベースを作成した。さらに、染色の条件検討をおこなって、細胞内蛋白質抗体で染めた後、セルソーターで細胞を分取し、その遺伝子発現を検討する事が可能になった。これにより、本提案によって計画されていた、マウス、マーモセットで発現の確認された表面抗原の多くは、発現が確認されただけで、どの系列のマーカーとなっているかはあきらかではない、という課題について、遺伝子発現の検討により、明らかにすることが技術的に可能になった。
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