活性化型Srcの分解を制御するSrcのセリン75リン酸化の擬似変異マウス(SDマウス)は、正常眼圧だが老齢化に伴い網膜神経節細胞(RGC)の障害が進行する。このリン酸化の脱制御による細胞死の機序を解明するため、2D-DIGE 蛍光標識二次元ディファレンスゲル電気泳動システムを構築して、網膜のリン酸化タンパク質を網羅的に解析した。その結果、推定分子量45kDa、等電点約6付近のSDマウスのスポット#30の量が野生型よりも有意に増加していることが示された。これらの成果は、Src特異的なリン酸化の変異で変動するリン酸化タンパク質同定の基盤となり、RGCの障害機序を明らかにするうえで重要な意義がある。
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