研究課題/領域番号 |
25670730
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
不二門 尚 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50243233)
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研究分担者 |
三橋 俊文 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (20506266)
神田 寛行 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50570248)
三好 智満 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70314309)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 毛様体神経 / 電気刺激 / 調節反応 / 高次収差 / 瞳孔反応 |
研究概要 |
【毛様体神経の電気刺激による調節と瞳孔の応答】視神経に沿って走行する毛様体神経の、眼球に近い部位および眼球表面を走行する毛様体神経に電極を接触させ局所的に電気刺激を行った。これにより、電気刺激の刺激パラメータ、刺激部位、電極形状等の諸条件を変えることで、毛様体がどのような応答を示すか明らかにした。この結果は、将来的に調節可能眼内レンズを毛様体神経の刺激により動作させる場合の条件を決める際の有力な情報になると考えられる。 【調節と瞳孔応答を独立に誘起するための神経走行の調査】視神経の周囲および眼球の表面を走行する毛様体神経の走行経路を、摘出眼を標本化して詳細に調べ、長毛様体神経・短毛様体神経をそれぞれ独立に電気刺激できるか検討した。 【局所刺激への対応のための電極形状と刺激部位の検討】電極形状をフック型・針型・巻き付け型と変え、電気刺激する部位を視神経周辺および眼球表面でさまざまに変えて瞳孔と調節がどのように応答するか、また、瞳孔反応と調節反応が独立に誘起できる条件を調べた。 【動物実験に最適な小型波面センサーの開発】瞳孔の変化と調節応答の光学的な測定のため、動物実験に適した小型波面センサーを開発し、実験に使用した。小型化と設置自由度の向上により、動物の姿勢や実験スペースの制約がある場合においても安定した測定することが可能になった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
あ① 眼球表面に走行する毛様体神経の神経活動を電気生理学的に検出することを試みたが、確実性に欠けたため、神経活動の検出方法を検討している。神経活動の計測には④で検討している光学的手法がより有力であると考えられる。 ② 標本作成や解剖等で長毛様体神経の分離を試みたが、明確に分離するには至らなかった。針型電極により長毛様体神経を局所的に刺激することを試みたが、瞳孔反応と調節反応を分離するには至らなかった。 ③ 毛様体神経の刺激による調節・瞳孔反応を小型波面センサーを用いて測定し、解析を行った。毛様体神経の電気刺激に対し近方に調節することと、同時に散瞳する反応を示すことが確認できた。また、一部の毛様体神経の刺激により収差が増大することも判明した。 ④ 光学計測により神経活動を記録するため、波長掃引光源の自己位相変調量を制御する実験を行った。予備的な実験としてレーザー掃引特性の評価とノイズの評価を行い、神経活動の光学計測が可能な水準にあることを確認した。
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今後の研究の推進方策 |
光学計測により神経活動を記録する目的で、波長掃引光源の自己位相変調量を制御する系を用いて、眼球表面に走行する毛様体神経の神経活動を測定する。
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次年度の研究費の使用計画 |
毛様神経の解剖学的な検討が十分に行えなかったため。 毛様体の電気刺激実験を追加して行う。
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