研究課題
1. 短毛様体電気刺激による調節誘起:視交叉から眼球への視神経の側面にある短毛様体神経を電気刺激することにより調節を誘起できるか検討した。麻酔下のネコを使った動物モデルで、我々が開発した小型波面センサーで動的な測定を行ったところ、ネコの生理的調節量に近い1 diopter(D)の調節を誘起できることが分った。同時に瞳孔の最大を観察したで、調節では副交感神経系の、瞳孔では交感神経系の反応が、同じ短毛様体神経の電気刺激により誘起されたことになる。調節可能眼内レンズ実現のための問題点としては、短毛様体神経の電気刺激では侵襲が大きいことである。2. 角膜近傍経強膜電気刺激法による調節誘起:侵襲の小さい方法として、角膜周辺の強膜上電極による調節誘起の可能性を調べる実験を行った。実験モデルとしては摘出豚眼とネコの動物モデルを用いた。強膜上1点から電極による刺激を行い、波面センサーで調節変化、収差、瞳孔径の動的な測定を行った。その結果、ネコの動物モデルで調節応答が観察された。ただし、調節量は短毛様体神経刺激と比較して小さく、逆に収差の発生が多かった。また、刺激閾が高く、筋弛緩無しでは他の筋肉が応答してしまった。強膜ポケットや多点電極を検討する必要がある。3.生体安全作動素子による調節誘起:調節を人工的に変化させる方法の検討を行った。生体安全な高分子アクチュエーターを利用した調節可能眼内レンズを考案し特許出願した。
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