研究課題
代表的な免疫抑制剤であるrapamycin、tacrolimusのケロイドに対する効果を検討した。より生体に近い条件下での効果を検証するため、我々の開発したin vitroケロイド線維芽細胞―CD4陽性T細胞間接共培養モデルを用いた。Tacrolimusで刺激したCD4陽性T細胞または通常の方法で活性化したCD4陽性T細胞とケロイド線維芽細胞とを共培養した。非共培養群と比較して、共培養群では共培養後のケロイド線維芽細胞のI型コラーゲン、TGF-βのmRNAが低下し、IL-6のmRNA発現が増加した。今回の実験条件ではtacrolimus刺激と通常の活性化方法との間で共培養後のケロイド線維芽細胞のI型コラーゲン、TGF-β、IL-6のmRNA発現に明確な差はなかった。通常の方法で活性化したCD4陽性T細胞とケロイド線維芽細胞を共培養し、ウェル内にrapamycinまたはtacrolimusを添加した。コントロール群(非添加群)では共培養後のケロイド線維芽細胞のIL-6産生が増加したが、rapamycin添加群、tacrolimus添加群ではIL-6産生が低下する可能性があった。Rapamycin、tacrolimusの抗炎症作用を示唆する結果であった。Rapamycin、tacrolimusの濃度設定や培養条件などを更に検討し、rapamycin、tacrolimusのケロイド抑制効果及び生体内でも有効かつ安全に作用する濃度域を検証する必要がある。得られた結果について関連学会にて発表した。
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