研究課題/領域番号 |
25670748
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
水野 理介 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (30273080)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 高血圧 / 食塩感受性 / 集合リンパ管 / 平滑筋 |
研究概要 |
SDラットを通常食群(NSD;7週間通常食+水)と高食塩群(HSD;5週間NSDその後、2週間高食塩食)に分けた。各群から腸骨リンパ節輸入リンパ管(集合リンパ管)を摘出し灌流標本を作製した。1.集合リンパ管の自発性収縮の変時性と変力性に対する内圧負荷の影響を検討した。両群の集合リンパ管の変時性の指標である自発性収縮頻度は、内圧負荷依存性に増加した。HSD群の変時性は、高内圧領域においても観察された。両群の集合リンパ管の変力性の指標である自発性収縮の振幅は、内圧負荷依存性に減少した。HSD群の変力性は、高内圧領域においてNSD群より有意に高かった。HSD群の筋原性緊張は、NSD群に比べて有意に高かった。これらの結果から、高食塩負荷は集合リンパ管の内圧負荷依存性の正の変時性ならびに正の変力性を増加し、高食塩負荷によるリンパ流-リンパ圧上昇に代償反応を示すことが示唆された。2. 集合リンパ管の自発性収縮の変時性と変力性に対するTRPV(Transient Receptor Potential Vallinoid)チャネルの影響を非選択的TRPVチャネル阻害薬であるルテニウムレッドを用いて検討した。ルテニウムレッドは、集合リンパ管の自発性収縮の変時性に対して二相性反応を誘起した。すなわち、低濃度のルテニウムレッドは両群において正の変時作用を、高濃度のルテニウムレッドは両群において負の変時作用と停止作用を惹起した。低濃度ルテニウムレッドによる正の変時作用は、HSD群において有意に高かった。ルテニウムレッドは、集合リンパ管の自発性収縮の変力性を減少した。ルテニウムレッドによる負の変力作用は、HSD群において有意に高かった。これらの結果から、高食塩負荷は集合リンパ管のTRPVチャネルの反応性変調を惹起させることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の目的の中で、ex vivoの実験の中核となる成果を得る事ができたため。また、選択的阻害薬を用いた実験系や高Naおよび高浸透圧の影響の検討も順調に進展できているため。
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今後の研究の推進方策 |
ex vivo実験の継続:TRPV チャネル発現を免疫組織化学的および生化学的に検討する。内皮由来生理活性物質(一酸化窒素やプロスタグランジン)やVEGF-Cの作用検討。in vivo実験とマウスを用いた実験系の確立。
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