研究課題/領域番号 |
25670756
|
研究種目 |
挑戦的萌芽研究
|
研究機関 | 独立行政法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
大河内 仁志 独立行政法人国立国際医療研究センター, 細胞組織再生医学研究部, 部長 (30185235)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 再生医学 |
研究概要 |
毛乳頭細胞は毛包形成に重要なだけでなく、多能性幹細胞としての有用性が示唆されている。しかし大量培養は 難しく、培養すると毛包誘導能が低下してしまう。Oct3/4だけを毛乳頭細胞に導入してiPS細胞が樹立できるこ とから、毛乳頭細胞は初期化されやすく、比較的未分化な状態にあると考えられる。そこでiPS細胞に対してOct 3/4の遺伝子発現を抑制し、適当な刺激を加えれば、毛乳頭細胞を誘導できるのではないかと考えた。Wntシグナ ルやBMPシグナルを入れて、バーシカンの発現を指標として、iPS細胞から分化した細胞を選択し、毛包誘導実験 を行って、毛乳頭細胞への分化を証明する。iPS細胞の調整と改変:これまでに導入遺伝子がゲノムに組み込まれないようにするために、センダイウイルス法を用いて、正常人由来のiPS細胞を独自に樹立しているので、基本的にはこの細胞を用いた。SNL 細胞をfeederとして用い、市販のiPS細胞専用培地にて未分化な状態を維持する。まずVersican promoterにGFPとHygromycin耐性遺伝子を2Aペプチドで結合させたコンストラクトを作製し、レンチウイルスベクター(neomycin耐性遺伝子あり)に組み込む。iPS細胞に導入した後(iPS-versican-GFP+Hyg)、neomycin存在下に培養してベクターのはいった細胞のみを選択する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
iPS細胞はデリケートな細胞のため、フィーダー細胞上での未分化維持が非常に難しく、ちょっとしたことで分化してしまう傾向があり、なかなか再現性のあるデータを得にくいのが原因と考えられる。iPS-versican-GFP+Hygのベクターを導入した後の安定的な細胞株の樹立が鍵を握っている。
|
今後の研究の推進方策 |
分化条件下ではフィーダー細胞を除くことが望ましいと考えているが、実験系が安定しなければ、フィーダー細胞上で分化させることも考慮する。iPS細胞の株間の性質の差も指摘されているので、京都大学のCiRAや基盤研からも複数のiPS細胞を取り寄せて、適宜使用する。
|