研究課題
多臓器、多細胞生物が時々刻々と変貌する環境と呼応しあいながら、interdependently, すなわち相互に連関しつつも“個”を維持してゆくことは健康な生存の必須戦略である。このしなやかな生存のために、生物、特に多臓器生物である哺乳類は巧みな進化を遂げてきている。その一つが、侵襲に対するしなやかな応答である。すなわち、時々刻々と変貌する体内外の侵襲に対して、時間性と空間性を持った応答が必須である。本プロジェクトでは、かかる視点から、DAMPs, PAMPs に対する応答の時空軸をもった応答性に対する血小板の役割について研究した。得られた結果は以下の通りである。1.PAMP-LPS(エンドトキシン)刺激マクロファージ、樹状細胞のATP 刺激に対する反応:マウス骨髄あるいは腹腔内マクロファージをあらかじめLPSで6時間前刺激して、次にATP で刺激すると、大量のmature なIL-1β, IL-18 が放出された。これはLPS刺激がファーストヒットとなり、次にセカンドヒット:ATP刺激で、inflammasome が活性化され、これによりprocaspase-1 がcaspase-1 に成熟・放出活性化された結果であることが判明した。2.この実験のATP のソースとして、体内では活性化血小板が考えられた。これに関しては現在検証中である。3.ATP は諸細胞表面上のADPase により速やかにadenosine に変換される。adenosine、抗炎症、細胞保護効果などを示すので、in vivo でも上記の反応、すなわちinflammasome 活性化を抑制するか、否か、すなわちadenosine によるDAMPs,PAMPs 反応系のネガティブフィードバック制御の検証が今後の問題として残った。
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件)
Thromb Res
巻: 133(1) ページ: 66-72
10.1016/j.thromres.2013.10.037
PLoS One
巻: 9(1) ページ: e86491
10.1371/journal.pone.0086491
Biochem Biophys Res Commun
巻: 437(4) ページ: 573-578
10.1016/j.bbrc.2013.06.117
巻: 8(9) ページ: e75961
10.1371/journal.pone.0075961