研究課題
実験モデルとし、大腸菌、緑膿菌、黄色ブドウ球菌、多剤耐性緑膿菌株、MRSA、アシネトバクター、多剤耐性アシネトバクター、各1コロニーを非働化ウシ胎児血清10mlに懸濁し、滅菌ガーゼに散布、37℃、24時間培養、空気中の揮発性有機物質を測定した。8菌種の混合培養により9種類の揮発性有機物質が検出され、ライブラリー検索によりOleic Acid、Phosphinous amide、Allyl chlorideなどと同定された。これらの物質は8菌種の単培養においても検出され、9種類の揮発性有機物質の検出パターンは菌種毎に異なっていた細菌増殖における揮発性物質による細菌同定は、揮発性有機物質、アンモニア、アミン類の分析により属レベルでの判別は可能であると考える。次に重度熱傷患者4名を対象に実施し、集中治療室の室内空気中濃度を測定した。室内空気中アンモニア濃度は入院中に大きく変動し、創部デブリードマンおよび皮膚移植時に増加し、創閉鎖時にバックグラウンドレベルに減少、創閉鎖せず患者が死に至った場合には高濃度を維持する傾向が見られた。このことから、室内空中アンモニア濃度のモニタリングが熱傷創部の治癒程度の観察に利用できる可能性を見出した。一方、熱傷創被覆ガーゼの揮発性物質分析ではアソシエーション解析にてヒト由来成分と細菌由来成分を分離し、再解析したところ属の判別は可能であった。しかしながら検討症例が少なく、種の同定には、同種内バリエーションの検討等、更なる検討が必要である。
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